消費者と生産者をつなぐ第三者認証機関-品本主義への挑戦

摘要

国の関与を最小限にするという観点から,指定品目にかかわる国による工場認定から，製品JIS規格一般にかかわる民による製品認証へ移行することとなった。 民間の第三者認証機関はISO/IECガイド65（＝JIS Q 0065:製品認証機関に対する一般要求事項）への適合が要求されることから，JIS規格の国際整合化とともに，製品認証と表示の仕組みもグローバル·スタンダードに近づいたことになる。 筆者は通産省において1986～88年に山下勇ISO会長のカバン持ち役を命ぜられていたが，ニューヨークでの少人数会合に出席した時のことを鮮明に覚えている。 米国ANSI，英国BSI，独国DIN，仏国AFNORの各専務理事に加え，日本からは30代半ばの私が集まった数日の会議であったが，国の役人は私のみで他の4名はすべてその道30年以上のキャリアを積hだ民間の大物である。 これが世界のスタンダード界を仕切る人達であり，2年ほどで部署を変わる日本の役人には重すぎる仕事であることを痛感した次第である。