コンクリート床版防水の耐久性試験方法と結果

摘要

本試験で使用した防水材料は，評価基準をすべてクリアしている。今後は，実際の供用時の状況及び評価精度の向上を図るべく，以下の検討が必要である。 ①防水試験では漏水は生じなかったが，実際の道路では寒暖による伸び縮みが生じる。 そのため，ひび割れ負荷時は温冷繰り返し条件を負荷することも検討する必要がある。 ②遮塩試験では，モルタル板中の塩分が溶出し，透過塩分として検出される場合がある。比較モルタル板との差を顕著にするため,試験期間を延長するなどの検討が必要である。 ③引張接着試験は，各温度養生後の試験体について23°Cの試験室で測定を行ったが，材料にまっては，材料湿度が常温に戻る時間が早いものもあると考えられ，雰囲気温度を試験温度と同等にする等のコニ夫が必要である。 ④せh断接着試験では，引張接着試験と同様に試験時温度の管理を行う必要がある。 また，防水層の厚みが大きい場合は,せh断力を加える位置を工夫し，バラツキの少ない試験結果が得られるような検討が必要である。 本工法は，橋梁床版防水で土木分野の工法である。今後，防水材メーカーは土木構造物の耐久性向上の観点から，構造物の防水について研究開発を進める方向である。 当センターにおいても，今後も土木·建築にかかわらず，各種構造物の防水試験を行っていく。