中山間地域で27年間曝露された耐候性鋼試験片の腐食状況について

摘要

島根県の山間地に27年間曝露された耐候性鋼の裸仕様と表面処理仕様の試験片の分析を行った．裸仕様試験片さび厚は150～300／Jmで，イオン透過抵抗法の区分では，Ⅰ－5とⅠ－4に区分され，部分的に保護性さびに置き換わりつつあると考えられる．一方で，長い曝露期間にもかかわらず，腐食生成物の75～81％が非晶質さびからなる．表面処理仕様試験片には表面処理皮膜が残存しているものがほとhどで，大部分のイオン透過抵抗値は数10～数100Mnと高い．ただし，桁外に曝露された表面処理仕様試験片の表面のみイオン透過抵抗値が裸仕様の試験片並みに低下しており，表面処理皮膜からさびへの置き換わりが起き始めていると考えられる．