育成について思うこと

摘要

学生時代を含めると腐食防食との関わりは36年目になります∴現在の私が腐食防食技術を生業にできているのは，大学の先生や会社の先輩のご指導はもちろhですが，腐食防食学会という存在が非常に大きかったと考えています．学会の様々な活動を通して，多くの方々と知り合い，同年代の仲間と切磋琢磨する機会をもらい，「学会に育ててもらった」という強い思いがあります．特に，20歳代で「コロージョン·セミナー」を受講したこと，現在の「パフォーマンス研究会」の前身の「材料のパフォーマンス委員会」創設時期から活動できたこと，さらには40歳代に4年間「コロージョン·セミナー」企画を担当したことが大きく影響しています．その中で，私自身はエンジニアリング会社の立場から，プラントに関わる多くの腐食事例を経験して引出しを増やし，学会活動の中では腐食事例を中心に発信してきましたが，学会活動を通して腐食防食のサイエンスに裏打ちされた原理原則の思考の大切さを植え付けてもらったと思います·当たり前のことかもしれませhが，エンジニアリング会社の腐食防食技術者として，サイエンスに裏打ちされた原理原則の技術判断ができるようになったことが，私の大きな財産となっています．