偏心補剛された平鋼圧縮柱の座屈性状

摘要

本研究では軸剛性のみを有する補剛材により偏心補剛された平鋼圧縮柱について，座屈耐力評価式を提案し，その信頼性を数値解析により検証した。 以下に得られた結論を記す。 1）軸剛性のみを有する補剛材により偏心補剛された圧縮材の座屈耐力式を導いた。弾性座屈に対して二つの座屈モードを仮定し，それぞれの耐力式の小さいぼうで座屈耐力が評価できることを検証した。 さらに，弾塑性座屈耐力式を用いることにより，補剛材の剛性が十分な場合の座屈耐力式は（8），（23），（24）式の最小値として評価できる。2）H形鋼では、回転剛性のない偏心補剛が有効となる範囲が狭いが，平銅では偏心補剛が有効となる範囲が広く，例えばFB25 X 250の場合には，中心圧縮の場合，及び部材せいと同じ偏心距離を持つ偏心圧縮の場合のいずれにおいても，部材長さ1000mm 以上であれば偏心座屈補剛が有効である。すなわち，一般的な小規模鉄骨建物で使用される平鋼の使用範囲では，偏心補剛で十分に座屈を補剛できる。