CO2地中貯留条件下における水およびCO2を包有するBerea砂岩の多孔質弾性パラメータ

摘要

地球温暖化という世界的規模の環境問題を解決するため，各国が二酸化炭素（CO2）の排出量削減に敢り組hでいる。特に我が国では，東日本大震災の影響により，当面は電力需給の観点から火力発電が極めて重要な役割を担うため，CO2の排出量削減技術の早急な確立が望まれる。CO2の排出量削減のための即効的な技術の1つとして，ノルウニー沖合の北海油田Sleipner鉱区でのCO2地中圧入を機に注目されるようになった地中貯留技術が挙げられる（Baklid et al.,1996）。Sleipner鉱区では天然ガス精製時に分離したCO2を海底下約1，000mの砂岩からなる帯水層に圧入しており，このような砂岩からなる貯留層は，CO2の有望な貯留層候補として期待されている（Koide et al,1992；Tanaka et al．，1995）。