カムに駆動されるばね-質量一体振動系に対するカムフォロアの影響（正弦カム-円端カムフォロアに起こる高調波振動）

摘要

自動機械やエンジンの弁機構を始めとして，多くのばねがカムによる強制変位を受ける形で使われている．自動機械の多くは，決められた変位後の位置決め精度が問題となることが多く，そのためばね一質量系における残留振動が重要となる．またエンジンの弁機構においては，高回転域において，ばねのサージングが発生しやすいことから，弁躍りを誘発しやすく，サージングの防止が重要な課題となっている．そして何よりも，ばねの疲労を抑える意味からも，不用意なばねの振動を抑える必要がある．自動機械の持つ様々な振動は，各固有振動数を持つ単振動からなる振動モードとして理解され，各モードがカムによって駆動される場合，一つ一つのモードは，Fig.1に示すような強制変位を受ける一自由度（1DOF）ばね一質量系として理解される．そのため，これら各モードのばね-質量系の振動をいかに抑えるように設計するかが重要な鍵となる．