グリッドコード改訂に伴うスマートインバータと系統連系試験技術

摘要

再生可能エネルギーの導入拡大に伴い，国内でもグリッドコード整備の議論が進められつつある．特に普及が進む太陽光発電は，パワーコンディショナ（以下，インバータ）により電力系統に連系されることから，スマートインバータと呼ばれる高機能化インバータによる系統安定化等への貢献が期待されており，その機能要件等を明示するグリッドコード整備の検討が進められている．国立研究開発法人産業技術総合研究所（以下，「産総研」）は，将来，分散電源（以下，DER）に必要なスマートインバータの機能に関連する研究開発を進めてきた．各国のグリッドコードに適合する海外認証を含む系統連系試験技術への対応やその試験環境を整備している．本稿では，2章で欧米を中心としたグリッドコード整備に伴う「スマートインバータや系統連系試験の動向」について述べ，3章で各国のグリッドコード改訂に伴う「産総研のスマートインバータに関する取り組み」について報告する．