ヒートパイプと組み合わせた太陽熱蒸留器の提案とその特性

摘要

発展途上国の貧しい集落などにおいては，上水道整備の遅れから衛生的な飲料水の確保が困難であり，非衛生的な水の摂取による乳幼児の健康への影響は深刻である．また，南アジアから東アジアにかけた地域では井戸水のヒ素による汚染が広がっており，その対策が急務とされている．このため，高度な技術を必要としない，安価で分散型の淡水化装置が求められているが，太陽熱を利用した海水淡水化蒸留器はそのニーズを満たし得るものである．