わが国の風車の発電量予測に関する最新動向

摘要

わが国においても大型風力発電の導入実績は目覚ましく，1998年は119基3万5千kWであったが，2004年始めには738基68万4千kWに達している．2010年の政府目標300万kWを達成するには，補助対象となる1500kW級風車では1,540基の設置が必要である．90年代に風車導入を目的にした風況シミュレーションは，風向風速観測データをもとにするデンマークRisoe研究所で開発されたMS-DOS版WAsPとアメリカエネルギー省によるMac版AVENUの2種類が使用されていた．また全国規模の風況マップは，測候所等の観測結果に地形因子等の重回帰分析法で求めた1kmメッシュの30m高度が利用されていた．(www.tech.nedo.go.jp/fukyo) 世界中で4000万kWに達する市場、コンピュータの高性能化と数値解法の進歩により，数多くの風況解析用シミュレーションツールが開発されている．