逆構造型ペロブスカイト太陽電池の高性能化

摘要

ペロブスカイト太陽電池は近年目覚ましい勢いで効率が向上しており，しかも塗布プロセスで作製可能なことから大きな注目が集まっている．現在の形のペロブスカイト太陽電池が提案されてからわずか4年で，小面積セルでの変換効率が22.1%に達しており，バルクシリコン太陽電池の変換効率を凌ぐ勢いである．ペロブスカイト太陽電池にはいくつかセル構造がある．図1に最も研究されているメソポーラス構造，逆型構造ペロブスカイト太陽電池の構造を示す．メソポーラス構造は色素増感太陽電池から派生したため，色素増感太陽電池と同様にメソポーラスTiO_2層が用いられているのが特徴である。メソポーラス構造のペロブスカイト太陽電池は，透明電極，TiO_2緻密層，メソポーラスTiO_2層，ペロブスカイト層，ホール輸送層，裏面電極で構成されている．メソポーラス層のない構造は平面構造と呼ばれる．この2つの構造の発電メカニズムが似ており，光照射によりペロブスカイト結晶に形成した電子とホールがそれぞれ酸化チタン層，ホール輸送層に注入し電極へ移動することで発電する．