住宅における太陽熱利用の動向

摘要

わが国の家庭におけるエネルギー消費は，一貫して増加基調にあることが知られている．その要因は，まず一貫して増加傾向にある世席数であり，同時に世帯あたりのエネルギー消費量の増加である．わが国の人口はすでに2005年より減少過程に入っているが，世帯数は未だに増加傾向を続けている．世帯数がピークに達し，減少傾向に転ずるのは2005年頃だと推計されている．一方，世帯あたりのエネルギー消費量の増加は，生活水準の向上，より快適な居住環境への指向などから，一貫して増加傾向を示していたが1990年代後半から増加傾向が弱まりつつある．用途別に見ると，給湯·暖房をはじめとして全体的には減少傾向に転じつつあるものの，照明·家電製品等のエネルギー需要だけは一貫して増加傾向をたどっているのが特徴的である．