ミラーを用いた三角錐型非追尾太陽光集光方式の集光性能

摘要

本研究では平板ミラーとPVセルを三角錐形状に組み合わせ，集光と擬似的な太陽追尾を取り入れた新しいPVモジュールを提案し，その集光性能をレイトレーシングシミュレーションによって解析した．その結果，セル面積あたり集光量と設置面積あたり集光量のいずれも従来の平板型PVパネルよりも改善できる設計が可能であることを明らかにした．セル面積あたり集光量と設置面積あたり集光量の間にはトレードオフ関係があり，片方の指標を改善する設計では他方の指標が低下する．性能の予測結果から，セル面積あたり集光量は最大約25%，設置面積あたり集光量は最大約55%の向上が見込まれる．いずれも三角錐の底面の三角形の頂角が150～170度に開いた形状となる．セル面積あたり集光量を拡大する設計では，中央の三角錐の南向きセル面積が小さく，それに相対するミラーを大きく取る形状が有効であるとの設計指針が導かれた．