第19回 アジア主要29都市·地域のコスト比較

摘要

ジェトロは2010年1月，アジアの主要29都市·地域で投資関連コスト比較調査を実施した。今回の調査では，金融危機の影響がどのように表れたかが注目されたが，影響が軽微にとどまった「元気」な国·地域と，そうでないところの差が際立った。賃金関連コストでは，インド，インドネシアなどで上昇が目立った。中国では一般工職のワーカークラスの賃金コスト上昇が明らかで，人材獲得が難しくなっている状況が示された。一方，コンテナ輸送費は前回見られた下落基調が依然続いている。近年，流通·販売，金融，通信などサービス業のアジア地域での事業展開に向け，投資関連情報へのニーズが高まっている。このため今回調査では，非製造業の「スタッフ」および「マネジャー」の賃金，市内中心部の店舗スペース／ショールーム賃料に加え，アパレル業，飲食業の店舗スタッフの賃金を追加した。限られた業種分野のため，データの収集は困難な地域が少なくなかったが，参考値として掲載した（p.61参照）。