水溶性油剤の潤滑管理による延命化対策：切りくずと浮上油処理について

摘要

結論から言えば，水溶性切削油剤が腐敗するのは4Kが原因である。 4Kとはくず，混入油，菌，管理不良である。 微生物の菌が栄養分としての切りくずと混入油を食べ，変質，増殖していく。 混入油の主なものが浮上油である。 さらに浮上油の内容は前工程および自工程加工機からの防錆油，焼き入れ油，作動油，潤滑油，加工抽などである。 管理不良はソフトウェアとして，油剤の濃度，pH，菌数，外観，臭気などの定期検査をしているかということである。それを手抜きして腐敗させている例が多い。これらの水溶性油剤の短命化が影響するプロセスの関連図を図1に示す。 この図に示すとおり油剤の短命化は製品品質，生産性，健康，産廃処理などに関連影響しており，その延命化は大きな意義を持っている。 本稿では最近の切りくず処理と浮上油処理の動向を水溶性油剤の延命化という観点から紹介して見ていく。