環境に配慮した切削加工：水可溶化型難燃性切削油について

摘要

近年，消防法の改正に伴い，潤滑油の危険物取扱い量の見直しが盛hに行われている。 それは，可燃性液体類に分類される油剤を使用することで消防法の適用が緩和されるため，工場設備上の大幅なコストダウンが期待できるからである。切削油の場合も同様に可燃性液体類への変更が期待されるが，引火点を250°C以上の油剤にするためには，従来の油剤よりも動粘度が高くなるため，加工ワークへの持ち去りが多くなるデメリットがあり思うように進hでいないのが現状である。 一方，水溶性化することがその改善策となり得るが，仕上げ精度で不水溶性切削油と同等以上の性能を有する油剤は限定されるのが現状である。 そこで，不水溶性切削油並みの加工性を有しかつ非危険物である油剤が期待されるがその代表的な油剤として「水可溶化型難燃性切削油」が注目されている。 弊社としては，ダフニーセミクールシリーズとして市販しているが，今回，その性能および適用事例，また使用上の注意点·管理方法などにつき述べたいと思う。