潤滑油製造業のエコファクトリー化推進事業－社団法人潤滑油協会 平成17年度事業報告書から

摘要

社団法人潤滑油協会では，平成17年度事業において「潤滑油の品質·性能に関する調査研究事業」，「潤滑油製造業におけるエコファクトリー化推進事業」，「潤滑油統計に関する調査研究事業－米国の潤滑油統計」，「潤滑油の規格に関する調査研究事業－米国のエンジン油規格－」などの調査を行い事業報告書としてこのほどまとめられた。本稿では製造業における省エネルギー化，廃棄物の低減，より一層の地球環境負荷の低減をめざす「エコファクトリー化」の推進を目的に行われた，潤滑油製造業をモデルにした調査結果を報告する。潤滑油製造事業所における省エネルギーを推進するために，モデル事業所に対して専門家によるエネルギー使用状況の把握および省エネルギー対策の立案（省エネルギー診断）を実施した。 本年度は5事業所への診断を実施した。 その結果，熱エネルギーの発生，利用に関して，1社平均で約15％程度の燃料消費が削減でき5事業者合計での二酸化炭素の排出量は約1,400トン／年削減できる可能性のある事が判明した。 また，これらの事業者の中でエネルギー使用量の最も多いB社では，年間に削減可能な燃料使用量は重油換算で400kL／年程度となり，平成17年度のA重油平均価格を45,000円／kLとして金額に換算すると約1,800万円／年節約できることとなることも判明した。 さらに，各事業所において省エネルギーを自ら推進する人材を育成するため，各事業所からの応募者，7名を対象に，（財）省エネルギーセンター主催の通信教育講座の受講を支援するなどのエネルギー管理士取得の支援を実施した。