プレス成形用ガラス材料と精密プレス成形

摘要

精密モールドプレス成形は，ガラス材料，金型材料（これに伴うガラスゴブの形状），金型加工，離型膜，成形プロセス（温度·昇温降温速度·圧力·抜圧タイミング），評価計測などのプロセスにおいて精密な技術が要求される。これらの総合的な技術の蓄積が無くてはならないが，各プロセスのメーカーが独自に技術開発を行いノウハウがブラックボックス化されているため詳細が不明であることが多い。そのため，最近ではガラス素材メーカーや金型製造メーカーがプレス成形のソリューションまでを提供する様になってきている。本稿では先ず現在市販品として公開されているモールド成形用のガラス素材の状況をまとめて，上記のプロセスとの関係を報告したい。リヒートプレス成形法は，現在では微細構造成形などレンズ成形以外の分野にも展開されている。精密プレス成形が本格的になってから数十年が経過した。著者の研究は後発ではあるがモールドプレス成形用ガラス材料の現状をサーベイするとともに自身が研究した高屈折率ガラス材料と微細構造成形について紹介したい。