造粒-焼結したGr{sub}3C{sub}2系サーメット粉末の粒度および顆粒強度がHVO匡溶射特性に及ぼす影響

摘要

HVAFやHVOFなどの高速フレーム溶射法は，粉末を非常に大きな飛行速度で基材に衝突させ，皮膜を形成することが可能なため，他の溶射法に比べ緻密且つ密着性に優れた皮膜が得られやすい。 しかし反耐，粉末は高温·高庄の燃焼室内またはバレル内部を通過するため，スピッティングが発生しやすいといった問題がある。 Fig．1はバレルを有するHVOFにおけるスピッティングの概略を示したものである。 スピッティングとは溶射中に溶射ガンのバレル（またはノズル）の内壁に溶けた飛行粒子が付着·堆積し，ときにはその堆積物が脱落して皮膜内部に混入してしまう現象のことを言い，一般に使用するバレルが長くなるほど発生しやすい。 この程度が大きくなると，溶射中バレルの内壁から付着物が脱落し，火花として舞う現象が起こることもある。 Fig．2はHVOFの一機種であるJP-5000で溶射中にスピッティングが発生したバレルの断面写真である。 Fig．2における例はスピッティング発生後もしばらく溶射を続けた場合であり，実際にはこのような状況になる前に溶射作業は中断されるが，バレル内の先端部側ほど，多くの付着物が堆積している様子が確認できる。