インプロセス反応を伴うSiO{sub}2/Al-Mg合金系造粒粉末のHVOF溶射

摘要

SiO{sub}2/Al-Mg系造粒粉末を用いて，反応性HVOF溶射による生成複合皮膜の形成を試み，以下の結論を得た．（1）供試造粒粉末をHVOF溶射することによって，MgAl{sub}2O{sub}4 とMg{sub}2Siを強化相とし，Al-Si合金をマトリックスとする生成複合皮膜を形成することが可能である．（2）MgAl{sub}2O{sub}4とMg{sub}2Siを生成するインプロセス反応は，溶滴の飛行過程ではなく，スプラツト積層過程のフレーム加熱によって進行する．すなわち，飛行過程で溶滴の発熱反応を伴わないことから，溶滴温度の上昇は期待できない．（3）Al基材上のスプラット端部にリッジが形成される．リツジの形成には，溶滴の運動エネルギだけではなく，スプラツト凝固過程におけるAl基材表面の溶融が重要な役割を果すと考えられる．