CdSセルをもとにした光·電気統合型センサによる非接触材質厚さ検出

摘要

本論文では，提案した光·電気統合型センサを用い，材質識別と測定試料の厚さおよびセンサと測定試料の距離検出を試みた．本提案手法は，平面型静電容量センサの電極としてCdSセルを用い，複数の光の状態で静電容量を測定することで複数の情報を得ようとするものである．すなわち，CdSセルの抵抗は光により変化するゆえ，発光の光量を変化させることで，測定対象からの反射光が変化し，結果として，複数の静電容量値が得られる．反射光は測定対象の光特性により変化するゆえ，静電容量値より対象の電気特性と光特性を得ることができる．よって，それらの静電容量値から対象の複数の情報を検出しようとするものである．実験として，導電性材質としてアルミニウムを，絶縁性材質としてアクリルを測定試料とし，それぞれ4種類の厚さを用意した．合計8種類の測定試料について，LEDを用い，測定試料に光を照射した場合と照射しない場合で，1対のCdSセル間の静電容量を測定した．測定した静電容量値により，2種類の材質識別と測定試料までの距離および厚さの検出を試みた．結果として，本提案センサによる測定対象の電気および光特性の測定により，導電体と絶縁体の材質識別と1mm～4mmの範囲での距離および2mm～10mmの厚さ検出の可能性を示しえた．今後は，本提案センサの最適化と測定試料と静電容量との関係の定量化を試みる．