ヒューマノイドのための階層化イメージセンシングシステム－注目領域分割とフレーム評価による床画像処理領域の絞り込み

摘要

本システムの特徴は，1）プレを含む画像列中から，視野内のどこを見るのかを決定するために，画像上の大局的な情報から周囲とは異質な領域の抽出を行なう「注目領域分割アルゴリズム」を導入すること，そして，2）カメラの運動速度と画像に含まれるエッジ量を利用してプレを評価し，著しく情報の劣化したフレームを排除する「フレーム評価」を導入すること，さらにこれらの処理を3）階層構造により必要に応じて段階的に処理対象を絞り込hでいくフレームワークとして実装することにある．本システムによりヒューマノイドが歩行中に取得した床画像から有用な情報のみを抽出して識別処理が可能となるとともに，処理対象の絞り込みによる演算の効率化が期待できる．本稿では，関連する従来研究について述べたのち，提案する階層化イメージセンシングシステムと各処理階層について説明する．また，小型ヒューマノイドmorph2に本システムを実装し，歩行中に物体認識を行なった実機実験について述べる．