2017年の炭酸リチウム、水酸リチウム輸入が過去最高へ、水酸化リチウムは倍増の1万7000トン超え、炭酸リチウムも前年超えの1万6000トンを上回る見通し

摘要

2017年のリチウムの輸入は、水酸化リチウムが前年比倍増を上回る1万7，000トン台に達する見通しである。また、炭酸リチウムも前年の1万5，755トンを上回るとみられ、いずれも過去最高の輸入となることが確実となっている。CIFベースの輸入価格は、世界的なリチウムイオン電池需要の急増と先行きの市場拡大を見込hだ先高感を受けて、炭酸リチウムが前年を44％上回る大幅な値上がり状況となっている。イギリス、中国などが本格的な電気自動車（EV）導入への決定を行ったことに加えて、注目されていたトヨタ自動車が昨年末にEV戦略に舵を切る方針を打ち出すなど、世界的なEV化への動きが鮮明となるなかで、主力電池のリチウムイオン電池用のリチウム、コバルト、ニッケルなどの電池素材需要が急増している。リチウムの今年の国内需要は過去最高の昨年を大幅に上回るとみられており、それにともなって、輸入量も昨年実績を大きく伸ばすことが予想される。