高純度ヒ素 古河機械金属（株） 電子村料本部副部長 田辺誠 いわきエ場技術課長 三角孝

摘要

2001年前半の化合物半導体の出荷はIT不況を反映し，GaAs，GaP，InPなどの需要低迷が続いている。 対前年同期比31％減の231億円となった。このうちGaAsが140億円で全体の61％を占めているが，対前年同期比（01上／00上）27％減，対前期比（01上／00下）34％減で前年度後半の足踏み状態から，本年度に入っての大幅な需要減となった。 GaPは54％減および22％減，InPにおいては，16％増および18％減となった。 光通信，ディスク用の光半導体や携帯電話向けの高周波デバイス等急成長を遂げた昨年に比べ，本年は相当な低迷となっていることがうかがえる。 化合物半導体材料の出荷状況を図1（JAMS資料まとめ）に示す。 WSTS（世界半導体市場統計）は，2001年の世界半導体市場が前年比32．1％減の1，388億USドルもの下落予想を発表した（2001年10月22日）。 今春発表の13．5％減1，768億USドルから，大幅な下方修正となる。 需要の一段の冷え込みに加え，米同時テロによる消費低迷の影響も受けるとみている。 図2（WSTSまとめ）に世界の半導体市場規模を示す。 2001年の減少幅は1984年の調査開始以来最大の落ち込みである。 地域別に2001年の市場規模を見ると，米州（北米·中米·南米）が43．9％減とIT関連景気失速のダメージを受け最も落ち込みが大きい。 次いで欧州が28．8%減少で，アジア太平洋地域が23．4％減。 デジタル家電などの需要が底堅い日本は18．1％減にとどまる見通し（2001年10月24日日本経済新聞）。