脈動形高速凝集沈澱装置の高性能化

摘要

高速凝集沈澱装置は、既成フロック存在下でのフロック形成と沈降分離操作を一体化した装置である。本装置は設置面積が小さく、省エネルギーという利点を有する一方で、原水水質の変動に対して処理水水質が不安定になりやすいことも知られている。例えば、本形式の高速凝集沈澱処理を採用している阿賀野川浄水場においては、第1図のような濁度上昇が昼以降に頻繁に観察されている。これは、熱対流により発生した事象と考えられるが、高速凝集沈澱装置においてそのメカニズムについて検討された例は少なく、その発生要因も必ずしも明確となっていない。また、熱対流が発生した場合の処理水質悪化の抑制方法に関しても検討された事例は少ない。