その問題点と基盤整備の方向

摘要

三年前から静岡県茶試が主査となり、恒阜、三重、香川、長崎の五県の共同研究として取り組hだのが、「中山間地の基盤整備と省力、軽作業化」研究である。 そこで、各県中山間地茶業の抱えている問題とこれまでの成果について、紹介してもらうこととした。 静岡県の中山間地では、茶が基幹産業であり、地域経済における重要な地位を占めている。 しかし、平坦地に比べ立地条件が厳しく、社会環境整備が遅れており、後継者の他産業への就業やそれに伴う茶業従事者の高齢化の進展に伴い、労働力の質的、量的低下が進hでいる。 また、個々の茶業経営は零細で、規模拡大が困難である。 茶園は急傾斜、小区画で、散在し作業の効率が低く、単位面積当たりの生産量も平坦地に比べ低い水準にある。