'D903i'のカメラ·画像処理技術

摘要

携帯電話の画像機能は年々向上し，高品質化·高機能化の要求もAV機器と比肩できるほどに高まりつつある。 一方，AV機器と比べた場合，携帯電話は小型·省電力の要求も高く，両者を両立するための技術開発が必要となる。 携帯電話の画像機能は，撮影と視聴に大別できる。 今回，"D903i"では，撮影·視聴の双方で画像機能の向上を行い，映像を楽しむ携帯電話としての確立を図っている。例えば，撮影では，動画手振れ補正機能を搭載することで，片手撮影など不安定な姿勢でも安定した動画記録を可能にしている。 また，視聴では，パソコン用の動画編集変換ソフトウェア"Motion Smoothy 3"を同梱（こh）することで，TV番組やダウンロードコンテンツなどを容易に携帯電話の画像フォーマットに変換できる環境を提供している。 さらに，このMotion Smoothy 3では，スポーツ番組のハイライトシーンを抽出する機能を搭載し，携帯電話でハイライトシーンのみを短時間で視聴できるコンセプトとなっている。 本稿では，映像を楽しむ携帯電話として，D903iに搭載した以下のカメラ·画像処理技術について述べる。 (1)撮影に対しては，①小型化しつつも撮像画像の高画質を実現するカメラ，②新たな機構を必要としない動画手振れ補正の2つの技術である。 (2)視聴に対しては，Motion Smoothy 3に搭載したハイライト再生技術である。