準天頂衛星システムセンチメータ級測位補強サービスの利便性向上に向けて

摘要

準天頂衛星システム（Quasi-Zenith Satellite System: QZSS）は2018年11月1日に実用サービスが開始された。そめサービスの一つとして，従来のGPS（Global Positioning System）カーナビゲーション等で数メートルであった精度についてセンチメータ級の極めて高い測位精度を実現する補強サービスであるセンチメータ級測位補強サービス（Centimeter Level Augmentation Service: CLAS）が提供される。CLASでは，衛星測距データに含まれる各種誤差を補正するデータを準天頂衛星経由で配信することで，高い測位精度（静止体水平：6cm以下（95%））を実現する。都市部等の利用では測位衛星からの電波が遮蔽されることがあり，ユーザーの可用性を向上させる取組み状況として，CLASの補強対象衛星数を増加させる改善施策を報告する。CLASは2032年度までの提供が決定しており，インフラの更なる価値向上等によって，自動運転，鉄道利用，社会インフラ維持管理，無人化·ロボットサービスといった様々な分野への社会実装が期待されている。今後も継続した安定的なサービスの提供に向け，サービス品質の維持に取り組hでいくとともに，ユーザー利便性向上に向けた施策を進めることによって，高精度測位社会の実現に貢献する。