良品企業の社会的責任(97): 魅力的な価値創造と社会的、経済的.環境的貢献-競争優位性と差別化の課題

摘要

前回はビジネス上の重要なボィントである市場魅力度に関して説明を試みた。巿場魅力度を図る場合はマ—ケッ卜の大小だけでなく、製品、サIビス競争力が大きく作用することをつけ加えて本論に入つていきたい.今回はもう1つの重要な課題である自社のブランド.製品.サ—ビスの魅力度を、前回と比較しながらその重要性を検証してみたい。前回は二ッチ巿場を例にとつてブランド.製品.サービスの魅力度が市場魅力度を上回ることについて説明した(主な理由は市場の成長性が望めないために大企業の参入がほとhどないこと。この市場の特徴は他の市場に比べて顧客ロイャリティ—が極めて高いことが挙げられる)。巿場ラィフサイクル(製品ライフサイクルとは異なり、購買層の変化していく様子、また購買者が意思決定する基準.行動などを指す)の特徴は導入期.成長期、そして成熟期によって購買者(個人)の意思決定基準が変わっていくことである。顧客企業にとつて経済価値は変わりがないが、損益目標が変わつていくという特徴がある(そして時間の経過と共に価格の引き下げ、特徴.利便性など品質向上などの条件が厳しくなつてくる)しかし、これらは企業の成長戦略にはなくてはならないもので、開発力.技術力、販売力のどこに重点を置くかによつて企業間格差が生じるといっても過言ではない。その中でも、グロ—バル化を意識し、新規開発に関しては特にその育成に力を入れている(顕著な例が、日本への留学生を積極的に受け入れ、帰国後には現地幹部社員として、振興市場でのシュァ拡大に力を入れているのである)。そして上記と同様に、製造から販売に至るQCD (品質、コスト、配送)に関わる効率性は企業競争力の重要な決め手となつている(QCDに関しては国内産業の特徴といつている人が多いが、製造拠点の海外移転でその差は急速になくなり、国内的には雇用問題とも絡み、社会問題化している)。