食品、飲料の付加価値を高める分離、ろ過技術-機能性食品市場の拡大で注目される成分精製、抽出、濃縮の最前線-

摘要

分離、ろ過技術は、飲料や乳製品をはじめ、調味料、発酵食品、機能性食品原料など、様々な食品産業の研究開 発や製造プロセスで利用されており、食品産業に欠かせない不可欠の技術だ。近年は、膜を使用した高レベルの分 離、ろ過技術により、飲料や調味料等において味'色、香りの改善、栄養成分を保持した非加熱での除菌を行うケー スも増加している。また、食品、飲料製造業に欠かせない水の処理（用水、排水とも）のほか、食品、飲料の脱気（含 有酸素の除去によるロングライフ化技術）、給気（品質や付加価値を高める気体の供給）、脱泡など、幅広い用途で 活用されている。また、機能性食品表示制度を利用した商品の開発が相次ぎ、市場を急速に拡大するなか、その商 品の中核となる機能性食品原料の精製、抽出などでも分離、ろ過技術の利用がさらに進展している。そこで本稿では、 分離.ろ過技術を高付加価値食品、飲料の開発、製造はもちろh、環境保全のキーテクノロジ一と位置づけ、その 最新動向を紹介する。