実況値と数値予報，平年値を組み合わせたメッシュ気象デ、提供システムの開発と普及

摘要

このたびは歴史ある日本農業気象学会賞普及賞を賜り， 大変光栄に存じます。ご推薦くださった小林和彦先生，審 査の労を執ってくださった学会賞審査委員会をはじめとす る会員各位に深く感謝いたします。受賞の対象となったシステムは，1980年から1年後ま での日別気象データを日本全国について約1kmの区画を 単位として生産、配信するもので，気象予報を含むことが 大きな特徴です。農業、食品産業技術総合研究機構（農 研機構）においてメッシュ農業気象データシステムとし て運用され，2019年1月末現在の利用登録数は563件で す。メッシュシステムの中核であるデータ作成技術の原型 を2011年に受賞者の一人（大野）が開発し，それを受賞 者らが中心となって発展させ現在の運用体制を構築しまし た。この講演ではこの間を簡単に振り返り，技術が実用に なるまでに起きたいくつかの課題とそれへの対応を示した いと思います。一つの事例として，技術の実用化を目指す 会員の参考になれば幸いです。