東北地方内陸部森林地帯における降水中の溶存成分濃度の季節変化および溶存成分負荷量

摘要

東北地方内陸部の森林地域に位置する関空他において降水を通年採取し、溶存成分濃度を測定した。 試験地における降水による物質負荷量ほ、海塩に由来するNaおよびClの負荷量が全国平均より非常に小さく、NaおよびCl以外の溶存成分の負荷畳も全国平均より小さいものが多かったが、NO_3の負荷量ほ全国平均と同等であった。 試験地ほ清浄地域に位置すると考えられるが、NH_4およびNO_3の負荷量に関しては他の清浄地域より大きな値であった。 試験地における降水中の溶存成分濃度ほ、12～1月にほ北西季節風の影響による海塩由来のNaおよびCl濃度の上昇が認められ、3～4月にほ黄砂の影響と見られるnss－Ca濃度の上昇が認められた。 これらは、日本海や中国大陸等の遠隔地から輸送される物質が試験地に到達していることを示している。 降水中のnss－SO_4、NO_3濃度がこれらの物質と同時期に上昇する傾向がみられ、海塩や黄砂と同様に遠隔地から輸送される酸性物質の負荷が内陸に位置する試験地に及hでいる可能性が示唆された。