我が国の林業と，認証森林経営のあリ方を考える

摘要

私は2016年春，本誌888号の論壇に「森林認証の社会的側面」というタイトルで, 林業労働安全への貢献など主に市場以外の視点から森林認証について書かせていただ いた。それから3年余りの間，森林認証制度における動きとしては，SGECがPEFC に加盟し2016年6月に正式に相互承認が認められた。これによりSGEC認証を取得 することでPEFC認証ラベルを用いることができるようになり，国際的森林認証制度 の資格を得た。SGECは国内においても，2020年東京でのオリ'パラ開催決定を契機 に認証森林面積を急速に増やしている（図の)。FSCは10原則56規準のもとに世界 標準指標（IGI: International Generic Indicator)を定めていたが，日本ではこのにI に治った国内基準が2019年2月に承認され，国内で認証審査を受ける際のFM (森 林管理）認証規格が審査機関によらず一本化された。国内の認証森林面積はこのところ頭打ち傾向にあるが，国内のCoC (加工、流通）認証件数は, 2019年7月現在1,443件（アミ タ環境認証ニュース，Vol.88, 2019.7)となり，3年前の1,061 件(同，Vol.53, 2016.7)か5 3696増となった。