但馬牛の近交対策-兵庫県北部農業技術センター福島護之所長に聞く一

摘要

平成30年の子牛市場と枝肉共励会の成績を振り返る と、いずれにおいても平均単価が最も高かったのは、 おそらく兵庫県の但馬牛,神戸ビーフだろう。およそ 他県で見ることがない血統と、去勢で400kg台の枝重、 国内外から高い評価を受ける食味性などなど、全国的 な和牛改良とは一線を画した歩みは、まさに「閉鎖育 種」の賜物である。外部から血を導入しないその育種 手法が、但馬牛,神戸ビーフのブランドを唯一無二の 物にしているのだ。一方で、外から血を人れない育種 改良は、多様な種雄牛で注意深く交配を進めなければ、 近交係数の高まりというリスクを背負うことになる。