機能性の素材増やして事業領域拡大水産資源を「食卓」から「生活」へ

摘要

この事業部が発足したのは1987年のことだ。水産物の機能性成分の有効利用を考える中で、まずEPAを医薬品化しようということになり、81年に持田製薬との共同開発を開始した。一方、EPAが豊富な魚油はサプリメントになるということで、商品開発部が商品を開発して商売を始めた。それを売るために商品開発部から1部隊が独立して、ファインケミカル事業部ができた。　医薬品の方は、持田製薬が90年に閉塞性動脈硬化症の適応で新薬の承認を受け、その後、高脂血症に適応を拡大して現在に至っている。エバデールは国内でしか承認されていないが、大型の医薬品となり、しかも発売から19年たっているのにまだ数量が伸びている。この間に、1万8000人以上の被験者から成るJELISという大規模試験の結果が明らかにされた。エバデールとスタテン（血中のコレステロールを低下させるHMG－CoA還元酵素阻害薬）を投与した群と、スタテンのみの群とを5年間追跡調査したもので、EPAは冠動脈疾患の一次予防にも二次予防にも有効だった。