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摘要

立枯れはキノアの生育や収量に最も影響を与える障害のひとつである.キノアの立枯れに関する研究はキノア 栽培が盛hな南米のアンデス地域では行われているが.環境の大きく異なる我が国においては過去に研究事例はない. そこで本研究では生育初期におけるキノァの立枯れの発生原因とその抑制法について検討した.立枯れ率は播種時期によって大きく異なったが，いずれの播種時期でも出芽直後から第4葉期まで立枯れが発生し，その後はほとhど発 生しなかった.播種時期の違いによって立枯れ率に違いが生じた原丙は気温や日照時間より降水量の違いによる影響 が大きいことが明らかにされた.そして，立枯れ率は土壌水分力低いと低下することが明らかになった.このことか ら，キノアの立枯れを抑制させるには生育初期におレ、て土壌水分が過剰にならないようにすることが重要と考えられ た.さらに，供試したキノア12品種の間には立枯れ率に明確な違いはなかった.立枯れた個体からはRhizoctonia属 菌ゃFusarium属菌が見出され，立枯れの発生にはこれらの菌が関与している可能性が示唆された.薬剤散布で立枯 れの発生が抑制できるか検討した結果，播種時にダコレート水和剤をlm2当たり2 g以上を土壌の表面に散布すれば 立枯れ率を抑制することができることが明らかになつた.