塩漬剤としてのKCIが日本短角種牛肉の理化学特性およびテクスチャー特性に及ぼす影響

摘要

塩漬剤としてのKCIが日本短角種牛肉の理化学特性およびテクスチャー特性に及ぼす影響について検討を行った.日本短角種去勢牛（n=7)の大腿二頭筋(M. biceps femoris)から調製した筋肉サンプル（100g)に，NaCIとKCIとの組み合わせが6gと0g(6Na0K区)，0gと6g(0Na6K区)，または4gと2g(4Na2K区）の塩漬剤を擦りこみ，3日間の塩漬を行い，ドリップロスおよびメ卜S才グロビン割合を測定し，またテクスチャ一プロファイル分析を行った.ドリップロスは0Na0K区が他区に比較して有意に低<,6NaOK区が他区に比較して有意に高かった.筋肉サンプルの表面から25mmの深さにおけるメ卜ミオグロビン割合は0Na6K区が6Na0K区に比較して有意に低かった.テクスチャ一特性には試験区間での有意な差は認められなかった.KCIはNaClに比べ，塩漬中のドリップロスを少な<するが，筋肉内への浸透は遅いことが示された.