無機、有機質肥料施用時における肥料の随伴イオンの種類と量の違いが葉菜類のNO_3~-含有率に及ばす影響

摘要

野菜類に蓄積したNO_3~-を多量に摂取することによって，人体に悪影響を及ばすことが懸念されている一方で，否定的な見解もなされている．しかしながら近年，食に対して安全、安心を求める消費者からほNO_3~-含有率の低い野菜が望まれており，野菜のNO_3~-含有率を低下させる栽培技術を明らかにすることほ重要である．野菜のNO_3~-含有率については，これまで数多くの研究が行われてきた．栽培環境面からみると，低気温であり，光強度が強いことで野菜のNO_3~-含有率が低下すること，作型や栽培方法によってNO_3~-含有率が異なることが示された．また，もっとも野菜のNO_3~-含有率に影響を及ばすと考えられる窒素管理については土壌の硝酸態窒素が0.3 g kg~(-1)以下の範囲で，窒素の多量施用により野菜のNO_3~-含有率が増加することが示された．