胚移植を取リ入れた戦略的酪農経営

摘要

筆者の牧場は、乳牛を主体とする個人牧場であ り、父が牧場主、母が経理を担当し、筆者自身 は、搾乳や給鈕などの通常作業の他は哺育育成部 門を主に担当している。平成19年に家族経営協 定を結び、3人で認定農家となっている。経営規模は、ホルスタイン種経産牛が36頭、ホルスタイン種未経産牛が18頭および黒毛和種 経産牛（採胚用）を3頭繋養している。年間出荷 乳量は37万M、年間和牛販売頭数は26頭（2009 年）である。胚移植を利用し始めた背景として、農場の労働 力は上記の3人であり、父母ともに60歳に近く なり、筆者の就農をきっかけに収益力の強化が望 まれた。収益力の強化をはかるにあたって2つの 方法が考えられた。1つは、海外研修で学hだこ とをもとに、フリーストールを整備し、従業員を 雇用するなど大規模酪農経営を目指すこと、もう 1つは、現在の施設を利用して、家族労働を基本 に、黒毛和種を増頭し、和牛と酪農の複合経営を 目指すことである。結局、後者で臨むこととし た。