清酒製造工程中の白米，清酒および酒粕中のカドミウム含量の変化

摘要

米中のカドミウム（Cd）は栽培条件、品種等により大きく変動し，米粒中のCdの分布についても偏りがあることが知られている。また，国内産米中のCd濃度は農林水産省等で全国的な実態調査が実施され3），0．4mg／kg以上汚染された米は厳しく管理されている。　米には微量のCdが含まれ，報告により異なるが，飯米（精米歩合90％前後）の場合，Cd濃度は玄米に比べ2～15％程度しか低下しないことが知られている蛸。さらに，精白米（飯米）での調理工程で無機元素（カリウム，マグネシウム等）の移動が洗米過程で起こるが，Cd濃度は乾物換算当たりでほとhど変動しないという報告がある程度である。一方，清酒醸造時の洗米、浸漬条件は炊飯時とかなり異なる上，清酒製造工程中のCd濃度の変化についての報告はばとhどない。