炭素循環と農作業をめぐる諸問題－二酸化炭素とメタンの人為的発生と削減－

摘要

近年の人間活動の活発化にともなって，毎年約60～70億トンの炭素が大気中に排出されているという．これらの大部分は，化石燃料消費（2000年には石油換算で76億トン）や森林減少などの人為的原因による．生物を介した固定分や循環分，不明分などを差し引いた残りの炭素約34億トンが毎年大気中に蓄積されていることになる．1950年以降だけでも2170億トンの炭素が大気中に排出され，この間に年間排出総量は約4倍に増加した．大気中の二酸化炭素（CO_2）濃度は年平均で0．4％ずつ確実に増加しており，これが地球温暖化を加速する原因になっている（ワールドウオッチ研究所2001）．