国産バレイショ新需要創出のためのベビーポテト生産技術 一効率的な生産方法の検討一

摘要

国内のバレイショ消費量は1960年代以降減少が続いており，特に，「男爵」や「メーク イン」に代表され，国産品が100%を占める生食用はその傾向が著しい。また，この要因 の一つとして，近年，国内では少子高齢化，単身世帯や共稼ぎ世帯の增加など「量より質， 手軽で健康的な食」への志向が強まっているが，現行品種は大粒で皮むきを必要とする， 調理に手間がかかることが挙げられる。一方，欧米でも生食バレイショの消費量が減少し ているが，その中でベビーポテト（20-90g程度）のシェアは伸びているとされる（カルビ 一ポテト（株）調べ)。ベビーポテトは小粒で皮が柔らかく皮むき、いも切りを必要としな い，皮ごと食べられ栄養価が高い，見た目が良いなどの特長があり，ミニ野菜やカット野 菜の普及が広がる国内の消費動向にも合致する。ただし，その生産にあたって欧米では専 用品種が多数あるが国内には専用品種がなくその開発に長い年数を要することや，収穫時 に発生するくずいもの极ぃでは生産量や品質が安定しない。そこで，本研究では現行品種 を用いたベビーポテト（国内向けとして15-60gと定義）生産技術を確立する。収量2t/10a 以上、全重占める15-60gの小粒規格歩留まり70%以上などを目標にした。