炭慧排熱のハウス栽培への有効利用に関する研究（第2報）　「一炭窯排熱による利用可能熱量の周年利用法の提案と評価一

摘要

これまでの筆者らの研究により，積雪寒冷地域のハウス栽培における熱エネルギーの需要量と炭窯排熱を利用した熟エネルギーの供給量が検討されてきた。 その結果を基に，本報ではハウス栽培におけるローカルエネルギーの利用効果について熟エネルギーの観点から評価した。研究対象地で使用されているハウスに対して，ローカルエネルギーの周年利用栽培システムを提案した。 すなわち，吸収式冷凍機を用いた冷暖房システムの導入である。生成した冷温水による冷暖房負荷代替率と貯水タンク容量および循環水量の関係を明らかにし，システム設計における最適条件を決定した。 また，本システム導入による利用効果を冷暖房負荷代替率として評価した。その結果，研究対象地におけるローカルエネルギーの周年利用栽培システムは，現行のハウス内温度管理において石油消費量の削減と栽培コストの低減に貢献するものであると評価された。