栽培環境変化と病害虫の発生変動－青森県の野菜を例にあげて－

摘要

青森県の野菜生産は1970年代以降の減反政策に伴って急速に増加し，現在では水稲に次いで，畜産及び果樹に匹敵する生産額に達している。 作付品目は多数に上り，本県特産のナガイモ，ニンニクは全国第一位であり，他に全国の10傑内に入るものはダイコンはじめ多種類がある。 主産地形成に伴う各種病害虫の顕在化ほ他県と共通した深刻な問題であり，特に近年は種苗の米量移入並びに施設を利用した栽培の周年化によってもたらされる，暖地型害虫の侵入，定着が大きな問題となりつつある。 本稿では青森県の主要野菜につい雷，主な作型，栽培様式とそれに伴う病害虫問題を紹介するとともに，特異的な病害虫め幾つかを取り上げぞ参考に供したい。なお，本稿での作型，栽培様式に関する用語は，原則として「改訂版全国野菜，花きの種類別作型分布の実態とその呼称（野菜編），野菜，茶業試験場研究資料第2号，1989年3月」に従った。