通潤用水水路システムを事例とした耕作放棄地の分類と要因分析

摘要

これまで耕作放棄の問題は，主に集落や圃場を対象として検討されてきた。 本研究では，圃場に水路を加えた水路システムを対象として，耕作放棄の調査を行った。その結果，耕作放棄地は，農地がまとまって放棄される全体型と虫食い状に放棄される分散型に分類することができた。 全体型は，水利条件等の圃場のハード面に起因することが多く，分散型は必ずしもハード面に起因するものではなく，耕作放棄の解消のためには耕作放棄のタイプ別に異なる対策が必要となることが示唆された。