島根県大田地方における家畜ふh堆肥の利用促進の取り組みについて

摘要

人出地方は島根県の中央に位置し，1市2町（平成17年10月合併により大田市）で構成され，人口4万人余り，面積436km~2の中山間地域である。 農業租生産額に占める畜産の割合は59％と非常に高く，農家数は少ないが，飼養頭数は県下でも最も多い地域である（第1表）。 家畜ふh堆肥の利用状況をみると，牛1頭当たりの還元耕地面積は40aであり島根県平均の70aをかなり下回っている。 これは耕地面積の約80％を占める水田のうち60％で水稲が栽培されており，倒伏や品質への影響が懸念されることから単位面積当たりの投入量が制限される上，全く施用されていない水田や遊休地も多いためである。 一方で，過剰量が投人されている草地などもあり，地域で有効利用されている量は3割程度と推測される。 なお，当地域における家畜ふh尿処理施設の整備は，大型農家を中心に平成16年度までにほぼ完了しているが堆肥センターはなく，すべて個別農家で処理されている。