食品の微生物学的安全性確保に関する国際的動向

摘要

食品の微生物学的安全性確保をめぐる概況 - 食品製造における微生物管理の主たる目的は「安全性の確保」と「品質の保持」であり，（病原性.腐敗 ┪⑸铯颉袱膜堡胜ぁ?「増やさない」.「殺す」の3原則を遵守することで，これらの目的を達成することができる。 品質管理と安全性に係わる国際的基準として，それぞれISO認証規格とCodex HACCPが存在する。 ISO（国際標準化機構）は151カ国が参画する非政府組織（NGO）であり，ISO規格は国内政策に対する拘束力をもたない。 しかしISO認証に閲し，その取得が企業間商取引の条件として設定される，あるいは公共事業の入札条件とされる場合がある（東南アジア諸国に多い）といった事情から，民間企業が積極的にISO導入を推進している状況にある。 品質マネージメントシステムに関するISO規格はISO9001:2000であり，これにHACCPシステムを融合させたガイドライン（認証規格ではない）ISO15161:2001が作成さ　 れた。 その後，TC34／WG8（ISO規格案を作成するワーキンググループ）にて「HACCPを基本とした食品安全システム」に関する認証規格が審議され，2005年秋にISO22000:2004が発行される予定である。 ISO15161:2001は食品.飲料産業のみを対象にしていたが，ISO22000:2004はこれらに加えて，農作物製造業.食品サプライチェーン，あるいは農薬.肥料.食品用洗剤製造業などフードチェーン全体の組織に対する要求事項が含まれている。 これに対し，HACCPは安全性確保の一手段であって，品質マネージメントを主目的とするものではない。