植物、濾材系水路による付加価値型水質浄化

摘要

近年,農村地域でも，湖沼等の富栄養化が進行しており，水産業，取水，生活環境上の被害に加え，農葉生産への被害も問題となっている。 富栄養化の原因物質である窒素、リンを高濃度に含む生活系排水の増大がその重要な要因の一つと考えられ，その対策が急がれている。 しかし,下水処理場や農村集落排水処理施設等では，窒素ーリンの浄化は不十分な場合が多い。また，これらの未整備地域では，生活雑排水（生活排水から尿尿を除いたもの）が未処理のまま放流されているところもある。 農村地域では,発生源が分散して存在するので，都市型の大規模集中方式の汚水処理施設をそのまま適用することには問題が多く，農村地域に適した，生態系と調和した窒素、リンの浄化技術の開発が求められている。 一方，汚水処理施設は，近隣の居住者にとっては迷惑施設となることも多いため，汚水処理以外の好ましい付加価値を持たせることも必要である。