開拓地での大規模施設ぶどう経営の確立と集団産地形成への貢献－島根県 大石 正氏を訪ねて－

摘要

平成10年度の（社）大日本農会農事功労者として，果樹部門で緑白綬有功章を受章された大石正氏を，島根県益田市菩阿弥の現地にお訪ねしたのは，7月15日であった。 東京は連日降雨の続く梅雨の最中だったので，緑まぶしい丘陵と青い海辺の間に挟まれた“石見空港”に降り立ったときは，すがすがしさを覚えた。 立地条件から益田市を語る場合，まづ山陰という語感からくる誤解を解くことからはじめざるをえない。 益田市は島根県の最西端た位置し，西は山口県に接し，一級河川高津川及び益田川下流に広がる日本海に面した人口5万人強の石見地方の中心都市であり，歌聖　 柿本人麿や画聖 雪舟ゆかりの地としても知られている。