農村の地域環境に対する子どもの認識　－山口県柳井市の小学生を対象とした調査結果をもとに－

摘要

近年，子ども達が実生活で自然と接したり動植物を育む機会が減少している．そのことは，都市の子どものみならず農村の子どもにとっても同様である．農業の機械化に伴って，農家の子どもでも農作業を手伝うことが少なくなり，テレビゲーム等の室内での遊びが増えるにつれて，豊かな自然環境の中で暮らしながらも家の外で遊ぶことが減ってきている．そのため，昔ほど子どもが身近な地域のことをよくは知らないような状況になっていると考えられる．こうした実態に関して，既存の研究では，児童期の自然体験について世代間比較や地域特性による比較をしたもの，児童期の自然体験がふるさとイメージや環境価値観に及ぼす影響について検討したもの等があり，これらからも，現代の子どもの遊びの変容や，子どもにとっての自然体験の重要性が指摘されている．